DAY and NIGHT プレビュー
報われない、恋をしている。
相手は、同い年で、マフィアで、山本達のボスに心酔している、男。
振り向いて貰える可能性なんて万に一つもなくて。けれど山本は今の関係に不満を覚えたことはない。
友人として、仲間として、ずっと傍に居られればそれでいい。
……そう、思っていたのに。
とりあえず股間のものをどうにかしないと、と山本が上半身だけ起こしたままベッドの上で気を散らしていると、バタンと大きな音を立てて廊下に続く扉が開かれた。
「いつまで寝てんだ、テメー」
続いて聞こえる不機嫌な声に驚いて顔を上げれば、仁王立ちで腕を組んで立っているのはつい先程まで夢に出ていた獄寺で。
「あ……おは、よ」
途端重なるのは夢の記憶。快楽に歪んだ淫らな顔がはっきりと思い出されて、山本は慌てて振り払うように頭を振った。
「何やってんだ。……腹減った」
どうやら獄寺がわざわざ起こしに来てくれた(?)のは空腹に耐えかねたかららしい。甘い理由などひとつもないことは判ってはいたけれど、やや肩を落として山本は立ち上がった。今履いているのは寝巻き代わりの大きめのスウェットだし、ぱっと見では判らないだろう。
「判ったよ、すぐ作るから」
ベッドから降りると、冷蔵庫の中身とすぐに作れそうなレシピを頭の中で並べて、何を作ろうかと考えながらドア横にいた獄寺の傍を通り過ぎる。
その瞬間香ったシャンプーの匂いに、山本はどきりと思考を止めた。
「獄寺、シャワー浴びた…?」
「あ?おう」
昨日遅かったから、と事も無げに言う獄寺の肌は、確かに薄紅色に上気していて。生乾きの髪が首筋に張り付いているのが見えて、思わず喉を鳴らしそうになる。
「何だよ、ちゃんと風呂場は掃除しといたぞ」
「あ…うん、ありがと」
折角落ち着いて来たそれ、が、また熱を帯びそうになって山本は慌てる。
「髪……ちゃんと乾かさないと、風邪ひくよ」
そう言うのだけで精一杯で、山本はそそくさとキッチンへ向かった。
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