Club★Strawberryプレビュー



「お疲れ様でした」
部屋に入ると、待ち構えていたように(実際まさに待っていたのだろうが)銀縁眼鏡の男が獄寺を出迎える。
ここは―――そうだ、とあるスタジオの楽屋、だ。
六畳程度の室内は、大きな鏡とパイプテーブルが据え付けられているだけの簡素な作りになっている。その中でテーブルの上に置かれたボックスティッシュだけがやけに目立って見えて、獄寺は小さく息を吐いた。
眼鏡の男は仕立ての良いスーツを崩さずにきっちりと着込んでいる。右手には分厚いスケジュール帳を携えていて、いかにも『マネージャー』と言った感じだ。
男は入り口付近で立ち止まったままの獄寺を見てふ、と笑みを浮かべる。
「長時間ご苦労様でした。ずっとカメラの前にいたから疲れたんじゃないですか?着替え用意してますから、脱いで下さい」
「え……」
「どうかしました?」
部屋に入るなりつい先程着せられたばかりの、細身のシャツとジーンズを脱げと言われやや戸惑う。確かに目的としては間違ってはいないのだが…。それにしても急性な展開に獄寺がシャツの釦に手を掛けたまま躊躇っていると、男が獄寺の手に自らのそれを重ねた。
「っ、」
「手伝いますよ」
銀縁の奥の微笑みは、柔らかだが確実に欲情を湛えていて。
「おまえ……、」
「『山本』、です」
にこ、と不釣り合いな程に明るく笑った、山本、は躊躇いなく獄寺のシャツを寛げた。インナーを身に着けていなかったので、すぐに素肌が露になる。
「肌、白いですね……」


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